2010年 04月 11日
回り続ける為に |
これは水車の動力を利用して葉を粉砕しているところです。
1秒間にドラム缶1本分の水が流れ込んでいるので、その流れを利用して水車が回っています。
この動力を利用して、馬場水車小屋では線香の材料となる杉やタブの葉を粉砕して、その粉を線香会社に供給しています。
今年は水量が多いので、作業しやすいそうです。
水量が多い時は、上流にある堰などで水量を調整しています。
この石積みの水路は、昔集落の人が自分たちで築いたもので、今でも大事に使われています。
4台目の水車は、水車大工として初めて現代の名工に選ばれた、広川町の故中村忠幸さんの作品であり、最後の作品です。
そしてこの5台目は、中村さんの最後のお弟子さん、野瀬秀拓さんと息子さんが作られたものです。
新しくなったのを機に、水車小屋は見学者が間近で見れるよう強化ガラスで囲ったり、文章で説明していたり、見に来られた方が分かりやすいよう工夫されています。
昭和50年頃までは、八女郡部一帯で70~80軒の水車小屋があり、上陽町でも40軒あり線香粉作りが盛んに行われていました。
全国の線香材料の6~7割は八女地方でつくられ、そのうち杉粉に関しては、ほとんどをまかなっており線香産地でした。
現在、東南アジアからの輸入に押され、このような水車小屋は八女郡部に7軒となっているそうです。
この水車が黒っぽいのは、腐食しないよう表面に塗装をほどこしているからです。
通常、水車は5年くらいしかもちませんが、20年もたせる為にコーティングして耐久性を上げています。
そのほかにも、効率を上げる為に野瀬さんが水車の設計を考え直し、水車の馬力を上げているんだそうです。
昔のやり方をそのまま受け継ぐ部分と、さらに見直して工夫する努力が、今でも続いている理由の一つではないかと思いました。
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by yame-kougeikan
| 2010-04-11 14:01
| 杉の葉線香