2010年 09月 16日
気になる土橋市場 |

土橋市場には飲み屋さんが多く入っているので、昼間は逆にうす暗く夜はほんのりと灯りがともります。
一番賑やかだった頃とは違い、今は少し寂しい雰囲気が漂いますが、鳥居と神社に囲まれた独特の雰囲気を持っています。
土橋の中から、奥に神社が見える不思議な景色。

左から2番目に写っているのが、黒川雅之さん。
黒川雅之さんは、世界中で活躍されており、あの建築家の黒川紀章さんはお兄さんにあたります。
土橋市場の中を、白壁の町並み保存活動もされている同じ建築家の中島孝行さん(写真左端)が案内されました。
黒川さんは、土橋市場を気にいった様子で、ぜひここで一杯やりたいねと話がはずみます。
土橋では、新しくイベントスペースが作られたりと古い中にも、新しい何かが生まれています。
ちょうど「皆様の土橋市場研究所」と名付けられたスペースで、話し合いが行われていました。

古墳の町広川をPRしながら、古代米を使って色んな食品を作られています。
古代米を使ったおまんじゅうや、かりんとうなど、地元の食材を使っての商品づくりを研究中でした。
黒川さんも飛び入り参加で、試食をしながらアドバイス。
土橋市場に、こうやって人が集まって話し合ったり、今まで来なかった人がくることで、表面上大きな変化があるわけではありませんが、中では少しずつ色んな事が進んでいます。
新しく出来た八女市地域交流センターや、工芸館、その他の施設も一緒になり、色んなイベントや企画をして、八女の町を盛り上げていけたらいいですね。

建築についてよくわからないのですが、この研究室では日本だけでなく世界各地の建物を調査研究されているようです。
aoilab 明治大学 建築史・建築論研究室(青井研究室)blogを見せていただきましたが、とても面白い内容ですので、ぜひ皆さんご覧下さい。

中島さんは、長年にわたり八女の伝統的建造物保存地域の町家の調査もされています。
今の時代は、新しい建物を作る際に都市計画や環境に配慮した家など、色々な事を考えて作らなければいけません。
しかし土橋を歩くと、整然とした綺麗な空間ではなく、ある意味雑然とした生活感が漂い、戦後の何も無い時代に、ここで一生懸命生きてきたその歴史が詰まっています。
土橋市場の建物は、生活するため・生きるための必然的にそういう形になった場所なのかもしれません。
黒川雅之さんのお話の中で、建築も愛を持って作るという話がありました。
愛とは万人向け・不特定多数ではなく、特定な誰かでありその人を想定して作る。
その中で、こちらが意図したように受け取られなくても、それぞれが使いたいように(各個人が想像して)使い、住み、生きていく。
“Less is more” (より少ないことは、より豊かなこと)という、ドイツ出身の建築家、ミース・ファン・デル・ローエの言葉と共に、色々と考えさせられます。
モノがあり余り、デザインが氾濫する与えられ過ぎた時代だから、人とのコミュニケーションも少なくなっているのかもしれません。
想像し、人とのコミュニケーションが生まれる場所が八女に出来れば良いですね。
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by yame-kougeikan
| 2010-09-16 14:41
| 八女の風景