2010年 09月 10日
思い通りの色 |
これは竹串の先に針が付いており、その先にパーツを取りつけていきます。
そうするとパーツの表面のほとんどに、漆を綺麗に塗ることが出来ます。
色合いも大きさも、様々なものを組み合わせてアクセサリーを作られます。
漆でこんなに多くの色合いが出せるのですね。
ブルーはターコイズ、赤はサンゴ、グリーンは翡翠(ひすい)など、天然石のような色合いが出ています。
例えば、手前の串に刺した丸いピンクの色。
この色は、乾いた時の色で生の状態は右側の徳利に入った色なので、同じピンクを作るのもなかなか難しいのです。
例えば、同じ漆に同じ分量の顔料を入れても、早く乾いてしまうと色が綺麗に出ず、また漆独特の縮みが出てしまうのです。
左上のパレットの色、下段中央のピンクも同じ塗料を使ったのですが、早く乾いた為色の仕上がり具合が違うのです。
またパレットでは縮みと呼ばれる、表面が波打ったような状態になっています。
これは、表面の乾燥具合と漆の内部の乾燥具合が違う為に起こる現象で、漆がゆっくり乾く際には起こりませんが、早く乾くと起こります。
漆と顔料を丁寧に丁寧に何度も混ぜ合わせますが、2時間もの間練り続けるので最後のほうは、手が固まってしまいます。
しかしよく練ることで、色合いが綺麗に出るのだそうです。
思い通りの色を出すのは大変なことなんですね。
その後、柿渋を塗った丈夫な和紙で漆を濾し、不純物を取り除いてから使います。
漆を塗る際は、木に漆を塗るといくらでも木が漆を吸ってしまうので下地と呼ばれる前塗り作業を行います。
下塗りには色々な役割があるのですが、ここでは木が漆を吸うのを防ぐ「留め(とめ)」という役割もあるそうです。
by yame-kougeikan
| 2010-09-10 09:01
| 新しいモノづくり